バトルヒーターのブログ

三森すずこさんと尾崎由香さんのイベントの事が中心です

劇団ノーミーツ「むこうのくに」の感想(後半ネタバレ)

劇団ノーミーツさんの「むこうのくに」の感想です。
 
尾崎由香さんが出演すると言うので、とりあえず他に予定が無い回のチケットだけ買ったのですが、最終的には8公演全部チケット買ってしまいました😇
 
内容自体も何度も見るに値する物でしたが、他にも、
 
・観客の反応をすぐに反映して、映像やユーザーインターフェースが進化する
・観劇中に行われる、観客同士のチャットの面白さ
 
などもあって、リアルの舞台以上に、リピートしたくなる要素が詰まってました。
 
当初は普通にZOOMを使って観劇するものだと思ってたのですが、案内されたURLを開くと謎のログイン画面が。
 
初めて見た時はよくわからないままログインしましたが、それが作中に登場する「ヘルベチカ」へのログイン画面を模した物だと気づいたときは、は!!となりました

f:id:battleheater:20200726032423j:plain

視聴画面へのログイン画面と作中に登場するヘルベチカへのログイン画面が同じ!
 
観客同士が、観劇しながらチャットを楽しむ事が出来るのにも驚きました。
初見の時はチャットは表示させずに観劇に集中しましたが、2回目以降は徐々にチャットをする比重を高めて行きました。
自分が気づかなかった事に言及してくれる人や、面白いツッコミをする人が居て面白い。
毎回違う楽しみ方が出来たのも、チャットの効果が大きかったと思います。

f:id:battleheater:20200726032821p:plain

配信場面の横でチャットが出来る

配信となると果たして安定した映像が見られるのかという心配もありましたが、少なく

 とも私の視聴環境では途切れたりする事はほぼ無かったですね。

一瞬音声が途切れたり、映像と合わなくなる事はありましたが、これは恐らくキャスト側の回線の問題の様に思われました。
 
またキャストは皆さん自宅から出演されているようなのですが、時には大声を上げるシーンもあるので、隣近所から苦情が出ないか心配になりました💦
本番中に怒鳴り込んできたら大変ですし、事前に事情を説明して理解してもらってたんですかね??
 
キャストの自室に設置されたカメラが遠隔操作で動いたり、キャストが自分で僅かな間に着替えたりメイクやヘアスタイルを変えたり、配信の映像切り替えなどの仕組みなど、舞台裏が物凄く気になる作品でもあり、ぜひ知りたいところです。
 
 
 
以下はネタバレありの感想ですので、読みたくない方はご注意ください。
 
 
 
■好きなシーン
一番好きなシーンは、やはりRainとマナブの別れですね。
 
独自に仮想空間を創り上げる程に進化したAIになっても、なお創造主であり「最初の友達」でもあるマナブが最初に教えた「友達の幸せ願うのが友達」と言う事を実直に守るところが、何とも切ない。
 
もしRainが完璧なAIだったら、マナブの事よりも恐らく、自分の保身を優先していたんじゃないかと思います。
 
このシーンではRainとリィンとスズが入り混じり、Rainであった頃の様に表情を失い、抑揚のない話し方になるのですが、リーン役の方よりもスズ役の尾崎由香さんの方が圧倒的にAIぽい感じが出ていましたね。
 
そして「私と友達になってくれて、ありがとね」と言いながら、最後に感情を取り戻すのですが、この時の尾崎由香さんの表情と抑揚の変化が、まるで機械で加工したかの様な滑らかさで、見事でした…。
 

f:id:battleheater:20200726033836j:plain

感情を失ったスズ

f:id:battleheater:20200726034016j:plain

感情を取り戻したスズ
アニメのアフレコはシーンに関係なく流れで撮るから、一瞬で夜から朝になったり、20年前に戻ったりする訳で、声優としてそう言う世界で芝居をしてきた尾崎由香さんの本領があの瞬間に発揮されてて、素晴らしかった👏
 
そしてラストでRainはまだ何処かでマナブを見守ってる事を匂わせ、もう一度泣かされる!

f:id:battleheater:20200726034140j:plain

こんなん泣くしかないやろ!
 あーーー!ベタと言われたらそうかも知れないけど、わかっててもやっぱ良いよねこう言うの!
ここで流れるEDテーマ曲がまたぴったりハマってて、最高のカタルシス
 
ハルジオン

ハルジオン

  • YOASOBI
  • J-Pop
  • ¥255
  • provided courtesy of iTunes
 
マナブは閉じこもっていた部屋のドアを開けて、リアルの世界へ歩いていく訳ですが、昼公演だとドアの外から眩い光が差し込んで、明るい未来(Futura)を暗示させる良い演出になっています。
 
 
二番目に好きなのは、スズのメモリをマナブが再生するシーン。
スズは自分を作ったのは誰なのか探してたのですが、スズはバックアップとしてリィン(Rain)に作られた訳ですから、結局マナブとスズは同じ者を探していたんだなって、ゾクッっとします。
 
そして「Rainと仲直りしたら、服を選んてほしい」と頼み、今までスズがずっと同じ服を着ていた理由がAIだったからと言う伏線が回収され、またまたゾクッっとしました。
あと「はい!」って言って気持ちを切り替える所が可愛くて良い!
 

f:id:battleheater:20200726034436j:plain

服を選んでほしいと頼むスズ
 
三番目は、ソウスケが「理由なんかどうでも良くて、マナブが呼んだから来た」と言うシーン。
話聞いてなくてバカっぽいけど、友達想いで情に厚いところが見えて泣けます。
 

f:id:battleheater:20200726034730j:plain

お前らエエやつやな!

四番目は、フィルターに依存してたピコとバトラーが、自らフィルターを外して、リィンを消し去ろうとする氷室と対峙するシーン。
フィルターを付けてないと本当の自分でいられないと言っていたけど、フィルターを嫌う氷室に対して本気で対抗する決意が感じられて燃えました。
 

f:id:battleheater:20200726034918j:plain

 
■気になる点
現時点で6回見ましたが、やはり劇中では語られていない謎もありました。
 
・AIであることを隠しているスズが、素性を隠さない事を信条とするフランカーに敢えて入ったのは何故か?
 公式フライヤーでもスズは「君の顔を見せて」と言っていて、自分を作った人がどんな素顔なのか見たかったからなのかな?と想像しましたが、果たして?
 
・スズがマナブに残したメモリは、いつ撮影したのか?
 まるでスズは自分の身に危険が迫っている事を悟ったような内容でしたが、劇中ではそれらしい描写がなかったので不思議な感じがします。
 
・スズの全身はどうなってるのか?
 スズは終始上半身しか映らないので、下半身がどんな服装なのか気になる…まさか小林さんみたいに履いてない…!?w
 
・ゲンさんとリィンの関係
 リィンはゲンさんの過去(黒歴史?)を知ってるようなのですが、どんな過去があったのか?
 ゲンさんはヘルベチカの超古参ユーザで、その頃はユーザが少なかったので、リィンと直接繋がっていたのかな?
 
・氷室があそこまでヘルベチカや仮想空間を憎む理由
 きっと誹謗中傷で大切な人を失ったなどの過去がありそうですが、その辺りの補完があれば面白いですね。
 
 
■まとめ
尾崎由香さんが「適材適所」ないい役に巡り合えてうれしいです!。
起用していただいてありがとうございます!(*^^*)
 
ZOOMを使った演劇ということで、もっと日常的な内容と思っていましたが、まさかこんなSFチックな内容だとは思いませんでしたし、それが実現できてることに驚きを隠せませんでした。
今後リモート演劇がどんな発展を遂げるのか、とても楽しみです。
現状、登場人物同士がZOOM等を介して会話するという制約がありますが、例えば時代劇をリモート演劇でやることは出来るんだろうか?とか、ZOOM等がある世界に縛られない物語が作れれば、もっとすごいなあと思うのですが、果たして…?